日本人と韓国人の国民性

アメリカに来て以来多くの韓国人を見てきた。日本人以外で一番仲良くなり易い外国人ではないかと思う。アメリカに来て間もないころ、韓国人の知人と話し合った時に両国民性の違いについて話し合った。韓国人は「わがまま」で日本人は「冷たい」という印象をお互いに認め合ったが、今も的を得た表現だと思っている。

肯定的に表現するとどうなるか。韓国人は「日本人より情に熱い」と言ったところか。では「日本人は比較的素直な人が多く、争いを好まない」とでも言い換えることも出来る。

日本人と韓国人は似ているところもあるが、明らかな相違点もある。日本人にはない部分だと感じた部分をまとめてみると以下のようになった。

1.愛国心が強い
2.自己主張が強い、文句が多い、喧嘩っ早い
3.儒教の影響が日本より強い
4.人懐っこい、温かみがある
5.日本をかなり意識している

僕がアメリカに来たのは90年代半ばだった。当時の自分は歴史や世界情勢に疎く韓国、中国、台湾、香港、その他アジアの国の違さえよくわかってい無様なものであった。それに対して韓国人は総じて日本のことを良く知っていて驚いた。日本の有名人、アニメ、映画、日本語の単語をよく知っていた。韓国語と日本語は文法が殆ど同じで、韓国人は日本語を勉強する人が多いということ知った。NYには韓国系の食品店があちこちにあるが、日本で売っているお菓子をそのまま韓国版にしたようなもが非常に多かった。これは日本か韓国のどちらかがコピーしたのだろうがおそらくは後者だと思われる。

これは当時韓国人留学生の知人から聞いた話であるが、韓国ではテレビ番組やアニメを日本のものをコピーしたものが多いが、原作者は通常韓国人の名前に置き換わっていて、日本の原作だということは隠す傾向があるという。最近ネットでよく目にする「韓国起源説」文化と重なる部分が見えなくもないが、これは日本の番組が法律で禁止されていたのも関係しているかもしれない。ただ、意外にも多くの韓国人はそれらを日本からコピーしたのだと知っているようだ。

日本も明治以来、欧米のものを真似してきたのでそれに対してどうこう言える立場ではないが、原作者を自国の人間に置き換えるという習慣はないと思う。アメリカでは”Power Rangers” という、日本の「スーパー戦隊」シリーズを真似た子供向けの人気番組があるが、堂々と「日本のスーパー戦隊シリーズのコピーだ」と公言している。アメリカの大学では、レポートやプロジェクトをコピー(盗作)することは、”Plagiarism”と呼ばれ「犯罪」扱いとされ、最悪退学となることもある。だから盗作には寛容ではない。それに対して、韓国では「日本のコピーだ」と公言することは殆どあり得ないと思われる。なぜなら国民感情を逆なですることになるからだ。「反日無罪」という文化もあり、犯罪とみなされる行為でも反日イコール愛国の為とみなされる傾向があるという。

日本と韓国はには共通の文化が結構あるように思えるが、それらの多くは儒教の影響があるように見える。例えば、男尊女卑をはじめ、先輩、後輩という考え方があるが、アメリカではそのような考え方はない。年上に対して敬語で話すというのも日本語と韓国語に共通した部分であるがアメリカ英語にそういうものはない。「青春時代」という言葉も韓国にはあるが、アメリカ英語にはそれに相当する一般的な言葉はない。そのように日本語と韓国語は共通語が多い。これらの細かい共通点が韓国人が身近に感じる理由かもしれない。

日本も韓国も儒教の影響が今も残っているが、韓国のそれのほうが日本より強いように思える。韓国の食品店でおばさんに手で押しのけられたことがあるが、韓国人に言わせるとこちらが若いからそういうこともありえるという。日本ではそのようなことはない。

日本人と韓国人の大きな違いのひとつは自己主張の強さだと思う。自己主張が強いのは欧米人も同じであるが、韓国人の自己主張の特徴は、自分の価値観を押し通そうとするところだと思う。相手と喧嘩をすることを厭わないのである。喧嘩してはじめて相手と仲良くなれると考えている部分もあるそうだ。

大学の図書館のビルの前でタバコをすって数人でたむろしているアジア人はたいてい韓国人学生だった。韓国人は他の韓国人を知ろうとする。「韓国人学生はみんなお互いに知っている」と言う。日本人の場合は「アメリカに来てまで日本人と知り合いたくない」という人が多い。日本人はお互いを知ろうとしない。

韓国人は相手と深いつながりを求めるようだ。例えば恋人同士が相手の留守番電話メッセージをチェックして浮気していないか監視することも珍しくないという。日本人では考えられないことだ。日本人は「親しき中にも礼儀あり」という考えた方があるが韓国人にはそのような考え方はあまりないように思う。これは大きな違いといえる。

韓国人と一緒に食事をするとワリカンをしない傾向が強い。「今日は僕のおごりだから今度は君がおごってくれ」といった感じである。とにかく「一緒」が好きなのだ。これらの違いを見ると、韓国人からすると、「日本人は冷たい」と写り、日本人からみれば韓国人は「わがまま」と写るのが分かる。

日本は昔(鎌倉時代以降)から武士が社会を支配してきたが、韓国(朝鮮)は学者が支配してきたという。だから現在でも学閥は強く、出身大学の名前に非常に敏感であるように見える。日本もそうであるが韓国はそれ以上だと思える。大学名は彼らにとってブランドとなり、その価値は非常に高い。なにを勉強したかよりも、なんという名前の大学を出たかのほうが重要なのである。もっともこれは日本も近いものがあるかもしれない(笑)。ただ、教師の地位は日本よりはるかに高いようで憧れの職業だという。日本も韓国も教師を「先生」と呼ぶが、アメリカではミスターXX、ミセスXXと名前で呼ぶのが普通である。大学では”Professor”「教授」と呼ばれ尊敬のニュアンスを含むが”Teacher”に「先生」のような尊敬のニュアンスはない。

韓国人の友人らによると、韓国は昔から常に周りの大国からの脅威にさらされてきた。中国、ロシア、アメリカ、そして日本。だから強いものとうまく付き合う必要があったという。儒教の影響である上下関係がそれに拍車をかけているように思える。強いものに取り入って自分らを守るのが彼らの長年の歴史から備わった国民性であると思える。

アメリカの韓国人同士のネットワークは強い。彼らを繋げるものの一つはいうまでもなく愛国心でありその一部が残念ながら「反日」である。自分達の価値観を押し通そうとする特徴は「慰安婦の像」を建てるといった行動になって現れている。今まで多くの韓国人といい時間を過ごしてきた自分でさえ、見ず知らずの韓国人にはどうしても警戒感を抱いてしまう。残念なことだ。

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